多焦点眼内レンズについて
多焦点眼内レンズ。その特性と向き合い方について。
期待できることと、ご理解いただきたい点。
多焦点眼内レンズの特性を正しく知っていただくことが、手術後の満足度につながります。
期待できること(利点)
遠近の両方にピントを合わせ、日常生活の中で眼鏡を外して過ごせる時間を増やします。
ご理解いただきたい点(留意点)
単焦点レンズに比べ、視界の鮮明さが劣ります。
夜間のライトが滲んで見える「ハロー・グレア現象」が起こります。
すべての場面で眼鏡が不要になるわけではなく、必要に応じて併用が推奨されます。
「単焦点レンズ」の方が、快適に過ごせる場合もあります。
多焦点眼内レンズは優れた選択肢の一つですが、すべての方にとって最善とは限りません。
慎重な検討が必要な例
夜間の運転が多い方: 光が滲んで見える現象(ハロー・グレア)が、運転の妨げになる可能性があるためです。
視界の「鮮明さ」を最優先される方: 一点にピントを凝縮する単焦点レンズの方が、よりくっきりとした視界を得られます。
細かな作業を長時間続ける方: 職業や趣味で極めて高い精度を求める場合、眼鏡で調整する単焦点の方が安定しやすいためです。
目の状態や生活スタイルによっては、多焦点レンズをお勧めしないこともあります。
それは、患者様にとっての「一番の見え方」を最優先に考えたい、という当院の方針です。
どのような選択がご自身にとって最善か、診察を通じて丁寧にお話しさせていただきます。
手術の前に、じっくりとお話を聴かせてください。
レンズ度数を決めるための精密な検査と同じくらい、私たちは患者様の「日々の暮らし」を知ることを大切にしています。
「お仕事で、どの距離を一番よく見るか」
「趣味の時間は、何をして過ごされているか」
「夜間の運転など、日々の生活で欠かせない場面はあるか」
こうした生活背景を伺う「術前カウンセリング」の時間を設けています。
ネット上の情報だけで判断するのではなく、対話を通じて、多焦点レンズが本当にあなたの暮らしにプラスになるのかを、医学的な見地から共に検討します。
「選定療養」という仕組みについて。
多焦点眼内レンズを用いた手術は、現在「選定療養」という制度の対象となっています。
これは、手術自体は健康保険で行い、レンズの差額分のみを自己負担で選んでいただける仕組みです。
健康保険が適用される範囲: 手術代、検査代、お薬代などは、通常の健康保険(1割〜3割負担)が適用されます。
自己負担となる範囲: 多焦点レンズを選択したことによる「レンズ代の差額+必要な検査費用」を、別途お支払いいただきます。
費用のことで不安や疑問を残したまま、手術に臨んでいただくことは望ましくありません。
具体的な金額や内訳、ご自身の保険適用についてなど、少しでも気になることがあれば、いつでもスタッフまでお尋ねください。
まずは、これまでの「見え方」の悩みをお聞かせください。
白内障手術は、これからの生活を支える大切な一歩です。
多焦点レンズにするか、単焦点レンズにするか。その答えを出すのは、精密な検査の結果が出てからでも遅くはありません。
当院では、目の検査の専門家である視能訓練士が、数値だけでは測れない「日々の暮らしの中での見え方の質」を丁寧に伺います。
ネット上の情報だけで悩まずに、まずは診察にお越しください。
医師と視能訓練士が、あなたの目の状態を確認した上で、今の生活をより良くするための選択肢を共に一つひとつ検討していきます。





